元請け?下請け?発注者?その仕組みを説明します。また収益性の高い仕事を請けていく方法も具体的に説明します!

 皆さんこんにちは。クーペです。

 今回は建設業でよく耳にする元請け下請け発注者について、その関係性を説明していきます。また、収益性の高い仕事を請けるにはどうすればいいのか?についてもお伝えしていきますのでどうぞ最後までご覧下さい。

目次

発注者、元請け、下請けの関係について

  建設工事では必ず発注者が存在します。発注者とは、その仕事を他の者から請け負わないで注文している者のことです。施主(施工主)とも言われます。その発注者から直接仕事を請け負う事業者のことを元請け事業者といいます。いわゆる元請けです。さらにその元請け事業者から仕事を請け負う事業者のことを下請け事業者といいます。いわゆる下請けです。

 元請けは1社のみですが、下請けは複数あることも多いです。

下請けが他社へ、仕事を依頼した場合、その請け負った事業者のことを二次下請けといいます。さらに仕事の依頼が降りるほど三次下請け四次下請けという形になっていきます。ちなみに下請け業者が複数ある場合、一番初めの下請け業者のことを一次下請けといいます。

 発注者から直接お金を受け取る元請けは管理費を差し引いて一次下請けに仕事を依頼します。さらに一次下請けが管理費を差し引き二次下請けに仕事を依頼します。このように、間に入る下請け事業者が増えると管理費が発生していき、仕事が下請けへと降りていくほどに工事代金も少なくなっていきます。このため、できるだけ下請けではなく発注者との直接契約、または下請けでも一次請けぐらいに食い込むことができれば収益もあがりやすくなるといえます。ではどうすれば発注者に近い位置で仕事を請けることができるでしょうか?こちらについては次の章で説明していきます!

 「管理費を取って元請けはいいよな~」なんてことも思いがちですが、実はこの管理費は必要経費なのです。元請けは下請けに仕事を依頼すると、その工事全体を管理する必要があります。もう少し分かりやすく言うと下請けが仕事をスムーズにできるように日程を調整したり、工具や測定器などを準備したり、宿泊するホテルを手配したり、特殊車両を手配したりすることもあります。細かい話しにはなってきますが、日程調整にしても電話の通信費、工具にしてもメンテナンス費用がかかってきますし、ホテルの手配をしたり書類作成をしたりする事務の人の経費、特殊車両の場合は保険料などもかかってきます。このように、目には見えない費用も発生することが多く、そのため管理費は必要経費といえるのです。元請けは管理費を搾取しているように思えるかもしれませんが、自分の会社を維持していく為にも管理費は必要な費用といえるでしょう。ただ、仕事は全て丸投げ、現場に足を運ぶこともない、おまけに高い管理費を取るような元請けはいい元請けとはいえません。建設業において工事の丸投げは御法度だからです。これは建設業法で定められていることです。

建設業法 第二十二条

建設業法 (一括下請負の禁止)第二十二条 建設業者は、その請け負った建設工事を、如何なる方法をもってするを問わず、一括して他人に請け負わせてはならない。 2 建設業を営む者は、建設業者から当該建設業者の請け負つた建設工事を一括して請け負つてはならない。 3 前二項の規定は、元請負人があらかじめ発注者の書面による承諾を得た場合には、適用しない。 4 発注者は、前項の規定による書面による承諾に代えて、政令で定めるところにより、元請負人の承諾を得て、電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって国土交通省令で定めるものにより、同項の承諾をする旨の通知をすることができる。この場合において、発注者は、書面による承諾をしたものとみなす。

もし工事の全てを丸投げするような元請けがいたら今後は仕事をしない方がいいと言えるでしょう。時間も労力も無駄になる可能性があります。収益性も見込めません。下請け側も見極める力が必要といえるでしょう。そして仕事を選んでいくことも大切です。

収益性の高い仕事を請けるにはどうすればいいのか?

 前章でも説明したように工事の収益性をあげるには、できるだけ発注者に近い位置で仕事を請けることが大切です。では具体的にどうすればいいのか?これには3つのポイントがあります。技術力営業力会社の信頼度の3つです。では、ひとつずつ説明をしていきます。

技術力

 まずはその会社に技術力があることが大切です。仕事を依頼する側はその会社の技術力を評価し、工事を依頼することが多いです。技術に定評がある会社と、技術が伴っていない会社とでは当然、前者の方に仕事を依頼すると思います。そのため、まずは技術者一人一人の技術力を高めることが大切です。具体的には、社内研修、外部の講習、外部からの情報収集などを行い社内で技術力の向上に努めることが大切です。そしてその技術力を共有し、お互いに高め合い、また継承し守っていくことも必要です。こうして会社全体の技術力のレベルを高いところに持っていくことで発注者からの評価を得ることができるでしょう。発注者側に、「この工事は○○株式会社さんにお願いすれば間違いなく施工してくれるな!」と思ってもらえればもう言うことはありません。技術力は不動のものです。そうそう奪われるものでもありません。自分の財産になると捉えて日々の作業からも学び、技術力の向上に努めてみて下さい。自分の自信にも繋がりますよ。

営業力

 技術力を高めたけど、その後はどうすればいいの?というところになると次に大事になるのが営業力です。高めた技術力を売り込んでいく必要があります。これは営業をする人のコミュニケーション力と、人となりも重要になります。営業担当者は自分が会社を代表して、会社の代わりに営業活動を行っていることを忘れずにいて下さい。また具体的な営業方法としては新規に開拓していく方法と、既に仕事をしたことがある会社に営業をかけていく方法があります。前者は、その業種の交流会や名刺交換会などに積極的に出席し、営業をしていくなどがあります。全く付き合いがない会社であれば実績もない為、難易度は高いといえるでしょう。しかし、いいお付き合いができた場合には仕事の獲得に繋がる可能性もありますので交流会などには積極的に参加することが大切です。次に既に仕事をしたことがある会社の場合には、その1度の繋がりでも大切にして下さい。例えばあまり収益性の見込めない仕事を依頼された場合でも簡単に断るのではなく、その依頼を請けてみることも大切です。「今回はあまりお金にならない仕事だったけど、○○株式会社さんは文句も言わずにやってくれたな!助かったな。次回はもっと単価のいい仕事をお願いしよう。」とこのように先々に繋がる可能性があります。もちろん会社は利益を追求する為にあるので利益を出すことは大前提なのですが、時には利益にならない仕事をすることも大切です。人と人とがすることなので、やはりお金だけじゃない部分もあるのです。しかしこれはその会社と先々も付き合っていきたいと考える場合です。先々を考えていない会社の場合はこの限りではありませんので正しく見極め、選択していく必要があります。相手の会社と今後どうしていきたいのかを考え、営業をしていくことが大切だと言えます。

会社の信頼度

 技術力を高め、営業力を磨いたら最後に大切になってくるのが会社の信頼度です。発注者が仕事を依頼したいと考える時に確認するのが、その会社の信頼度になります。具体的には、ホームページはあるのか?ホームページの情報は更新されているのか?建設業許可はもっているのか?経営審査事項の点数はどれくらいなのか?どんな取引先があるのか?従業員はどれぐらいなのか?電話対応はどうなのか?お願いした書類を期日までにしっかりと書いてくれるのか?等々。このような会社の運営に関わる部分が信頼に繋がり、この信頼度が高いほど発注者は仕事を依頼してもいいと判断するでしょう。このような会社の運営に関わる部分は事務の方や管理職の方が担っていることが多いと思います。これは日々の業務の積み重ねがあっての信頼度であるといえます。その事実を忘れずに目の前の仕事を確実に丁寧にこなしていきましょう。

 上記3つを意識しながら仕事をしていくことで、収益性の高い仕事を請けることに繋がっていくでしょう。ぜひ実践してみて下さい。

まとめ

  • 発注者→元請け→下請けの順で仕事がおりてくる
  • 下請けは複数社あることも多い
  • 発注者から離れるほどに管理費が発生していくので、もらえる工事代金が少なくなっていく
  • 建設業での工事の丸投げは禁止されている
  • 収益性の高い仕事を請けるためには技術力、営業力、会社の信頼度が大切
クーペ

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