皆さんこんにちは。クーペです。
今回は、建設業で採用されている建設業会計について、なぜ必要なのかを説明していきます。また建設業会計で必須の勘定科目、「未成工事支出金」についても説明していきます。是非、最後までご覧下さい。
建設業会計とは?
建設業では、商業簿記や工業簿記ではなく、建設業会計という特殊な経理方法が採用されています。では何故、一般会計と異なる建設業会計を採用しているのでしょうか?一般的な企業では製品を作り、販売するのに、それほどの時間はかかりません。おおまかな流れとしては、製品を作る為の材料を仕入れる→製品を製作する→製品を販売するの流れになります。このような一連の流れは長くても数ヶ月で完結します。しかし建設業ではどうでしょうか?土地を切り拓き、道路やトンネルを作るには長い時間がかかります。その工事にもよりますが、1年以上かかることも多いです。そのため、一つの工事のお金の動きを、通常の会計期間である1年で会計処理するのは難しくなります。そこでできたのが、この建設業会計という特殊な会計方法です。
未成工事支出金とは?
建設業会計で必須の勘定科目である未成工事支出金について、その意味を説明していきます。未成工事支出金とはまだ完成していない工事でかかった費用や支出のことを指します。未完成のものを売上として計上することはできないので、工事中の期末時点で資産として計上し、次期へ繰り越します。具体的に仕訳の例をみていきましょう。
【例】
外壁工事を1,000,000円で請負った。工事の一部を○○建設に依頼する予定である。
・○○建設に外注費として400,000円を普通預金で支払ったとき
【仕訳】
借 方 | 金 額 | 貸 方 | 金 額 | 摘 要 |
未成工事支出金 | 400,000 | 普通預金 | 400,000 | 外注費支払い |
・工事が完成し、工事代金が普通預金に振り込まれたとき
【仕訳】
借 方 | 金 額 | 貸 方 | 金 額 | 摘 要 |
普通預金 | 1,000,000 | 完成工事高 | 1,000,000 | 工事代金の受け取り |
・売上高に対応し、未成工事支出金から経費に振り替える
【仕訳】
借 方 | 金 額 | 貸 方 | 金 額 | 摘 要 |
外注費 | 400,000 | 未成工事支出金 | 400,000 | 外注費 |
・さらに完成工事原価に振り替える
【仕訳】
借 方 | 金 額 | 貸 方 | 金 額 | 摘 要 |
完成工事原価 | 400,000 | 外注費 | 400,000 |
ポイントとして工事が完成するまでは、旅費交通費、通信費、外注費、材料費など出て行く費用について、全て未成工事支出金で管理していきます。そして工事が完成したら経費に振り替え、さらに完成工事原価へ振り替えるといった流れになります。また、未成工事支出金は一般的な商業簿記でいう「仕掛品」に相当するものです。
まとめ
- 建設業では特殊な「建設業会計」が採用されている
- 建設業では年単位の工事があることも多いため、通常の会計期間の1年で会計処理を行うことが難しい
- 未成工事支出金は未完成の工事でかかった費用や支出のことをいう
- 未成工事支出金は一般的な商業簿記でいう「仕掛品」にあたるものである
建設業会計は慣れるのに時間がかかりますね。。。
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